6月13日 第2回定例会

平成30年第2回墨田区議会定例会議事日程 第2号
        平成30年6月13日午後1時 開議
第1 議案第44号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第2 議案第45号 すみだ生涯学習センター条例
第3 議案第46号 墨田区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例
第4 議案第47号 災害に際し応急措置の業務に従事した者等に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例
第5 議案第48号 墨田区特別区税条例等の一部を改正する条例
第6 議案第49号 墨田区介護保険条例の一部を改正する条例
第7 議案第50号 墨田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営等の基準に関する条例の一部を改正する条例
第8 議案第51号 錦糸町第三街区消防設備改修工事等委託契約
第9 議案第52号 すみだ生涯学習センター本館内部改修その他工事請負契約
第10 議案第53号 墨田区総合運動場施設整備工事請負契約
第11 議案第54号 特別区道墨122号路線整備工事請負契約
第12 議案第55号 物品の買入れについて
第13 議案第56号 負担付贈与の受入れについて
第14 議案第57号 東向島児童館分館の指定管理者の指定について
     午後1時開議

○議長(瀧澤良仁君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(瀧澤良仁君) まず、会議録署名員を定めます。
 本件は、例によって、議長からご指名申し上げます。
      11番    あさの清美君
      18番    高橋正利君
のご両君にお願いいたします。
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○議長(瀧澤良仁君) 昨日に引き続き、一般質問を行います。
 順次発言を許します。

○議長(瀧澤良仁君) 8番・井上ノエミ君
   〔8番 井上ノエミ君登壇〕

◆8番(井上ノエミ君) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長、加藤教育長、よろしくお願いいたします。
 まず、墨田区の行財政改革の実施について、山本区長にお伺いします。
 この問題については、これまでも何回かお伺いしていますが、区政において大変重要な課題ですので、本日もお伺いします。
 行財政改革で最近注目をされているのが、兵庫県の明石市の取組です。明石市は、人口が29万人ですから、墨田区とほとんど同じぐらいの規模の自治体です。明石市の泉市長は「子どもを核としたまちづくり」をスローガンに、子どもの支援策を充実しました。保育所の定員を1,000名増やし、待機児童を解消しました。2人目の子どもからは保育料を無料にしました。また、小学校の1年生の30人学級を実現しました。その予算に全部で23億円掛かりましたが、人件費の削減や無駄な事業をなくして、予算を確保しています。子育て支援が充実した結果、子育て世代の人口が増えて、地価も上がり、税収が増えたそうです。
 この明石市の子ども重視の考え方は、子育て支援を重視する山本区長のお考えとほとんど同じだと思います。山本区長も子育て支援をもっと充実したいお考えをお持ちだと思います。それ以外にもいろいろアイデアをお持ちだと思います。しかし、政策を実現するためにはお金が必要です。そのためには、明石市が行ったような徹底的な行財政改革が墨田区でも必要だと思います。
 墨田区の経常収支比率は、平成28年度で83.7%です。目標である平成32年の85%は既に達成しています。しかし、新しい事業の予算を確保するために、この目標を80%に設定し直して、更に改革を進めるべきと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 また、明石市でも、予算の確保のために人件費の削減に取り組みました。事務の効率化を図り、職員定数を削減し、スリムな区役所にすることが必要だと思います。墨田区では、業務改善推進プロジェクトを実施していますが、その進捗状況と結果について山本区長にお伺いします。また、今年度は職員を大量に採用しましたが、来年度の職員の採用計画についてもお伺いします。
 次に、大規模水害の対策について、伺います。
 今年の3月30日に東京都の港湾局と建設局から、「想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図」が公表されました。これは日本に来たこれまで最大の台風である昭和9年の室戸台風が来た場合を想定しています。その確率は1,000年から5,000年に1回です。めったに来ることはありませんが、災害対策の基本は常に最悪を予想しておくことです。想定外だったとか予想していなかったという言葉がいかに大きな被害をもたらしたかは、東日本大震災で証明されています。この高潮の浸水想定区域図を見ると、墨田区と江東区の被害が一番大きいようです。
 そこで山本区長に伺いますが、墨田区では5メートル以上の浸水地域はかなり大きいようです。この浸水地域の面積と、そこに住む区民の数はどの程度になるか伺います。また、避難を必要とする区は何メートル程度の浸水地域になるのか、その人口はどのくらいか伺います。また、実際に大量の区民を避難させることが可能なのか、どこに避難させるのか、交通手段はあるのかについてもお伺いします。
 また、万が一のことでありますが、区民に広域避難の必要性を認識してもらう必要があります。墨田区として、どのように区民に理解してもらうのか、山本区長にお伺いします。また、広域避難することのできない区民のための緊急避難場所を確保しておくことが重要だと思います。これまで、まちづくりではあまり水害対策は考えていないと思います。浸水地域にあり、緊急避難先となる建物は、容積率を緩和して、水害のときは避難所として使うことも考えていいと思います。また、住宅でも2階建てだと浸水するが、3階建てならそこに避難することが可能ですから、政策的に高い建物をつくるように考えることも大事だと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 次に、肢体不自由児者のためのグループホームの建設について山本区長に伺います。
 前回、この問題について山本区長にお伺いしましたが、平成32年度の開設を目指すとのご答弁でした。知的障害者向けの施設は32年度には設立の見込みですが、肢体不自由児者用の施設はなかなか用地の確保ができないようです。なるべく早く、できれば本所地域に用地を確保して、32年度中に開設していただきたいと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
 また、障害者のヘルパーの医療行為ですが、たんの吸引を是非外出のときに認めてもらいたいという要望があります。障害者の方が外出することはとても大変です。墨田区でも移動支援事業を実施しており、利用者の方には大変好評です。しかし、外出のときにたんの吸引などの医療行為が必要になります。認めている区もあるようですので、是非検討していただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 次に、学童クラブの待機児童対策について、山本区長と加藤教育長にお伺いします。
 両国地域の区民から、立川児童館両国分室の待機児童が大変多く、何とかしてもらいたいという要望があります。子育て政策課からの情報では、定数25名に対して20名の待機児童がいます。これだけ多くの待機児童がいることに大変驚きました。待機児童は立川児童館まで歩いていくことになるのですが、30分程度掛かり、小学校低学年では交通事故の可能性もあります。墨田区では人口が増えていますから、待機児童は今後も増えると思います。早急に対策を考える必要があると思います。
 そこで山本区長にお伺いしますが、現在、墨田区には学童クラブの待機児童は何人いるのでしょうか。その対策についてどのように考えていますか。また、正式な学童クラブでなくても、週に3日間でも子どもの居場所をつくることを検討していただきたいと思います。例えば、区の集会施設や空き店舗を利用することも考えられると思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
 次に、加藤教育長にお伺いしますが、緑小学校では放課後活動である「みどりっ子クラブ」を行っています。小学校を利用して子どもの居場所をつくることも是非検討していただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。
 次に、墨田区の学校での電子メールの利用状況について、加藤教育長にお伺いします。
 墨田区では、平成18年から保護者への緊急情報の連絡メールとして、学校連絡情報メールを導入しています。これは保護者が自分で登録しなければならないシステムですが、緊急連絡メールですので、ほとんどの保護者に登録してもらいたいと思います。現在、大体何%程度の保護者が登録しているのかお伺いします。また、実際にこのメールの使用状況ですが、年間何回程度のメールが発信されているのか伺います。
 墨田区では、このシステムを10年間使っていますが、一度評価する必要もあると思います。教育委員会として、現在このシステムをどのように評価しているのか伺います。また、最近は各学校でもメールの連絡網をつくって、メールで保護者に連絡をとっていると思いますので、大変よいと思います。ただ、私が校長先生に連絡をとりたいと思っても、メールを使用されていない先生もいらっしゃるようです。是非先生方にもメール利用を広めていただきたいと思いますが、加藤教育長のご見解を伺います。
 次に、インバウンドの観光対策について、山本区長に伺います。
 日本に来る外国人観光客の不満の一つに、「日本では夜あまりやることがない」という苦情があります。確かに日本では、夜は飲食店以外は外国人観光客が行く場所はあまりありません。東南アジアの国では、昼間は大変暑いので、夜に屋台や店が開いて、多くの人が集まるナイトバザールが都市の各地にあります。日本も、夏は東南アジア並みに暑いですから、ナイトバザールを開くことを検討するべきと思います。例えば、現在やっているマルシェを夏は昼間ではなく夜に開くこともいいと思います。また、両国でもナイトバザールをやれば、東京中から多くの人が集まると思います。また、盆踊りは大変魅力的な夏の夜のイベントですから、もっと観光資源として利用するべきと思います。是非、夜のイベントを考えていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 次に、目黒区で5歳の女の子が児童虐待で亡くなるという悲惨な事件がありましたが、この件に関連して山本区長にお伺いします。
 この事件は、品川児童相談所が適切な対応をとらなかったために起こってしまったわけです。これまでも、児童相談所が対応できないために、虐待により子どもが亡くなる事件はたびたび起こっています。東京の児童相談所の体制を強化するためには、墨田区でも児童相談所を早期に設立していただきたいと思います。
 また、今回の事件から学ぶ幾つかの教訓があります。例えば、親が子どもを虐待しているケースでは、特に今回のようにひどい場合では、親の親権を停止して子どもを保護する必要があります。そのためには、児童相談所は家庭裁判所に申立てをする必要があります。実際には、全国でこの申立ての件数は、平成27年度でわずか29件しかありません。親権という重要な権利を制限するわけですから、家庭裁判所も慎重に審議するので、その法律手続には弁護士がいないと大変難しいです。
 しかし、全国でもわずかの児童相談所にしか常勤弁護士がいません。今、弁護士は余っている状態ですから、墨田区でも是非常勤の弁護士を配置することを検討していただきたい。また、虐待の子どもを一時保護するための一時保護施設が不足しています。また、一部の施設では、子どもがいじめを受けたりするなどの問題も指摘されています。施設ではなく、一般の家庭に子どもを預けるための里親制度をもっと普及する必要があります。また、児童相談所と警察との情報共有も重要です。児童相談所に現職の警察官又は警察官OBを常勤させて警察との連携を図り、虐待を事件として親を逮捕することで、今回のような事件を未然に防ぐことができます。是非、今回の事件の教訓を生かして、墨田区ではこのような事件が起こらないような体制をつくっていただきたいと思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 私の質問は以上です。
   〔区長 山本亨君登壇〕

◎区長(山本亨君) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。
 最初のご質問は、行財政改革の実施についてです。
 本区においては、平成28年度から5カ年の「墨田区行財政改革実施計画」に基づき、これまで各種取組を着実に進めてきました。本区の経常収支比率については、ご指摘のとおり、目標値を達成しています。一方、歳入環境の先行きは、今後、法人住民税の更なる国税化や地方消費税清算基準の見直しの拡大が懸念され、極めて不透明なため、平成32年度までは現在の目標値を維持し、新たな目標値については、次期実施計画の策定に合わせて、改めて検討したいと考えます。
 次に、業務改善推進プロジェクトの進捗状況と結果についてです。
 昨年度までの業務量調査の結果を踏まえ、今年度は業務量が多い事務や定型的な業務についての効率化に向けた検討を進めています。現在、庁内にプロジェクトチームを設置し、共通業務の効率化による全庁的な業務量の削減及び事務の効率化等に向けた検討をしているほか、業務プロセスを自動化するRPAやAIの導入に向け、情報収集と実証実験のための調整を行っています。
 次に、来年度の職員採用計画についてです。
 職員採用数は、新たな行政需要や事業の見直し及び退職者数を踏まえ、決定しています。今後も、増大する行政課題や東京都からの権限移譲、法改正、東京2020オリンピック・パラリンピックなどへの対応が想定されますが、引き続き事務事業の見直しや民間活力の導入等、行財政改革に積極的に取り組みながら、必要数を採用していきます。
 次に、大規模水害対策についてです。
 現在、区では大規模水害対策として、1,000年程度に一度の最大規模降雨による被害を想定し、荒川流域の72時間総雨量632ミリメートルのハザードマップを作成しています。今回、東京都は、「想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図」を発表しました。まず、これに伴う5メートル以上の浸水地域の面積及び人口については、具体的な数字は示されていませんが、区のハザードマップから推定すると、浸水面積が約2.5平方キロメートル、人口は約3.2万人です。
 次に、避難を必要とする浸水地域及びその区民の数については、区単独では想定していません。
 次に、広域避難についてですが、大規模水害が発生するおそれがある場合には、区民の皆さんに公共交通機関等の利用や徒歩により、早目に避難していただく必要があると考えています。現在、江東5区では、区民の皆さんに早期に自主避難していただくために、広域避難計画等の策定協議を進めており、8月下旬に計画等を公表する予定です。
 次に、区民への周知についてですが、計画等の公表後、区のホームページや地域防災活動拠点会議の場など、さまざまな機会を捉えて、情報発信に努めます。
 次に、緊急避難場所の確保策についてですが、区としては、原則として広域避難を区民の皆さんに求めていきますが、間に合わない場合に備えて、水害時避難場所や協定に基づく一時避難施設の確保に努めていきます。
 なお、浸水地域の緊急避難先となる建物の容積率を緩和するご提案については、容積率は道路等の都市基盤など地区の特性を踏まえて定められているため、浸水対策のためだけに容積率を緩和することは困難であると考えています。
 次に、障害者福祉施策についてです。
 重度の肢体不自由のある方向けのグループホーム整備については、建設候補地の検討中であり、今後も計画的に整備していきたいと考えています。また、移動支援中のヘルパーによる医療行為の可否については、各区の運用状況なども含めて研究していきます。
 次に、学童クラブについてです。
 今年4月1日時点の学童クラブ待機児童数は、利用申込みが増加したことにより、207人となっています。区としては、「墨田区次世代育成支援行動計画」に基づき、小学校区域内に学童クラブがない地区又は待機児童が発生し又は発生が見込まれる地区に、優先的に学童クラブを整備していきます。
 現在、待機児童を多く抱えている地域の一つとして両国地区がありますので、この地域においても、学童クラブの増設に向けて、適切な物件を探しているところですが、現時点では難しい状況です。
 なお、ご提案のあった週3日間程度の子どもの居場所確保については、小学校における放課後の特別教室活用や、児童館事業、放課後子ども教室等、庁内横断的な連携により対応していきます。
 次に、インバウンドの観光対策としての夜のイベントについてです。
 これまでは、観光施策の一つとして、「納涼の夕べ」や「吾妻橋フェスト」等の夜のイベントを開催しています。また、昨年度からは「吾妻橋フェスト」に合わせて「THE GREENMARKET SUMIDA」を夜間まで延長して開催しており、今年度からは台東区と連携し、隅田川でのとうろう流しも実施することとしています。
 また、区内ではこのほかにも、トリフォニーホールでのコンサートや地域・民間団体が実施するものも含め、さまざまな夜のイベントが開催されていますが、情報発信が十分でなかった面もありますので、まずはこの点を改善していきます。ナイトバザール等夜のイベントの開催については、観光協会とも連携し、どのようなことができるのか考えていきます。
 次に、児童虐待についてです。
 先日報道のあった虐待による児童の死亡事件については、私も心を痛めており、こうした悲しい事件が本区で起きないよう努めなければならないと決意を新たにしたところです。
 児童相談所については、平成28年の児童福祉法改正により、特別区も設置が可能となったことから、各区が開設に向けた課題の検討を進めています。ただ、設置に当たっては、人材の確保や体制の整備など多くの課題を解決していく必要があるため、実現までには一定の時間が掛かります。その際には、ご提案のあった弁護士や警察官OBの配置についても、他の事例を参考に研究する必要があります。
 しかし、児童虐待への対策の強化は喫緊の課題であることから、関係機関と連携しながら、子育て支援総合センターの機能強化、体制の充実を図っていきます。ご指摘の里親制度については、引き続き、普及のための周知に努めていきます。
 以上で、新しいすみだ、井上議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。
   〔教育長 加藤裕之君登壇〕

◎教育長(加藤裕之君) 新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。
 初めに、緑小学校で行われている「みどりっ子クラブ」のように、学校を利用して子どもの居場所をつくることを検討してみてはとのご質問です。
 本区では、平成19年度から小学校の施設を利用して、放課後の子どもたちの安心・安全な居場所づくりや、学習、交流活動などさまざまな体験活動を推進するため、放課後子ども教室を行っており、学校や保護者、地域住民等から構成された運営委員会へ委託して実施しております。実施日数や内容は、地域の実情に合わせて決めていることから、コーディネーターとなる人材や運営スタッフの確保等の課題もありますが、安全・安心な子どもの居場所になっているほか、子どもたちと地域の大人との貴重な交流の場となっておりますので、今後も放課後子ども教室の充実に努めてまいります。
 次に、区立学校におけるメール利用の普及についてです。
 まず、学校情報連絡メールの保護者の登録状況ですが、例年入学式の際に、教育委員会事務局からチラシを配布し、加入促進を行っており、現在98%の加入率となっております。
 メールの利用状況ですが、学校行事情報、下校に関わる連絡、子どもの安全に関わる不審者情報等を発信し、平成29年度実績で1,259件ありました。
 学校情報連絡メールのシステム評価ですが、以前は学校連絡網などの主として電話による連絡が中心でしたが、メールで発信することで、保護者に必要な情報を、これまで以上に多く正確に伝達することができるシステムとして活用できていることから評価できるもので、また保護者からも「学校との距離が短くなった」と好評を得ておりますので、引き続き継続していきたいと考えております。
 また、校長への連絡につきましては、各学校の問合せ用のメールアドレスにご連絡いただければ返信できることとなっておりますので、ご活用いただければと考えております。
 以上で、新しいすみだ、井上議員のご質問に対する答弁を終わります。